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イノベーション
2017.09.12

自分の時間を現金化できるタイムバンク、iPhoneアプリで登場
専門家の時間を売買して課題を解決するサービスがモバイルアプリをリリース

メタップスは、様々な「時間」を10秒単位で売買できる「タイムバンク」のiPhoneアプリをβ版としてリリースした。

タイムバンクは「時間の取引所」。技術者、経営者、アスリート、歌手など「専門家」と呼ばれる人々の空いている時間を一般の「ユーザー」が購入、活用、売却、保有することができるサービスである。タイムバンクにおいて専門家は自分の時間を販売することができ、ユーザーができる行動は主に以下の4つだ。

1    時間を買う:興味のある専門家が発行(販売)する時間を購入する
2    時間を使う:条件を満たすとリワードとして時間を利用できる
3    時間を売る:買ったけど使わない時間は欲しい人に売る
4    時間を持つ:特定の専門家を応援したい場合は時間を持ち続ける

購入した時間の利用例としては、相談・コンサルティングの依頼、講演・取材・登壇への参加、ランチ・ディナーへの招待、イベントやサロンへの招待やチャットでの質問など、時間を発行した専門家の得意なことに合わせて予め設定されている。

時間を発行(販売)した側の専門家は、販売した時間の収益を原資に自分の価値を高める活動に専念することができ、ユーザーは専門家の活動を間接的に支援することができるというわけだ。

今回iPhoneアプリがリリースとのことだが、「時間の取引」というサービスの性質上、機動力の高いスマートフォンとタイムバンクの親和性は高い。サービスの成熟と共に、Android版のリリースも待たれるところだ。

 

さて、ここまで読んで、何かと話題の「VALU」を思い出した読者は多いだろう。
実際、タイムバンクは個人への評価を価格として表すという点で、VALUと同じ評価経済の一種である。

だが、その中でも「時間」に価値を見出した所にタイムバンクの独自性が存在する
「個人の価値」という本来数値化できないものと、数値化された「時間」。これらを掛け合わせることで、それぞれ単一の場合とは全く別の価値が生まれることは想像に難くない。

更に、時間を発行できるのはあくまでも「専門家」に限られているのも、タイムバンクの特徴だ。

タイムバンクではオンライン上の影響力をスコア化して、スコアが57以上の人のみが時間の発行(販売)を申請できる仕組みを採用している。申請後はタイムバンクのスタッフによって①影響力、②信頼性、③専門性の3点を軸に審査されるのだ。審査スタッフにはアドバイザーとして各業界の第一人者も参加し、公正な審査をサポートする。この仕組みによって、取引に出される「時間の質」を担保しようというわけだ。

影響力スコアが57以下だと、そもそも申請すらできない。
スコアはFacebook、Twitter、YouTube、Instagramのアカウントを連携させることで、システムによって自動的に算出される。サービス開始当初、自身の「影響力スコア」を調べようとする人々が続出し、間接的にその基準の厳しさを示してみせたのも記憶に新しい。

前述のVALUにも審査は存在するがコンセプトの違いもあり、タイムバンクほど厳しいものではないという印象を受ける。その「ゆるさ」から生まれるものもあるだろうが、メタップスはサービスの健全性を最重視しているとのこと。VALUに対する世論を踏まえても、厳しい審査や慎重な運営は妥当な判断と言えよう。

また、専門家とユーザーとの間で発生する金銭のやりとりには全てメタップスが仲介に入る。この点は専門家とユーザー、どちらにとっても安心材料となるはずだ。

更に、時間発行者(専門家)の将来性が期待できて、長期的に応援したいという場合は、時間を購入して保有し続ける「タイムオーナー」になることができる。そして保有している時間はいつでも好きな時に、ほしい人へ市場価格で売ることもできるのだ。こちらがよりVALUのイメージに近いかもしれない。

タイムバンクは「時間市場」の創出を通して、個人が主役の新たな経済システムの実現を目指している。時間の価値を再認識させることで、人々の働き方や生き方を変えていきたいとのこと。

VALUのように裾野を広げすぎると様々な問題が発生する。しかしあまりにも利用者を限定しても新しい価値は生まれず、働き方や生き方の改革ができたとしても、ごく一部のインフルエンサー間のみで終わってしまう。
兼ね合いが難しいところだろうが、地道に成功事例を積み重ね「時間の売買」により業務や日常の合理化が進み、新たな価値が生まれることを期待したい。

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