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2017.11.24

保有率1.1%? スマートスピーカー、大多数の本音とは
マクロミルがスマートスピーカーに関する調査結果を発表した

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LINEの「Clova WAVE」やGoogleの「Google Home」、そしてAmazonの「Amazon Echo」。日本でも次々に発売開始となり、にわかに盛り上がるスマートスピーカー市場。「ユーキャン新語・流行語大賞2017」にも「AIスピーカー」がノミネートされている。

IoT Todayでも度々取り上げてきたスマートスピーカーだが、実際のところ世間一般にはどう受け止められているのだろうか。マクロミルが11月21日(火)に発表した調査結果をもとに、世間の温度感について見ていこう。

10月27日(金)~29日(日)にかけて全国の20~59歳の男女1000人を対象に行なわれた前出の調査によれば、日本においてスマートスピーカーが「絶対に流行る」と考えているのは2.6%。「流行りそう」の37.3%と合わせると39.9%が「流行る」と回答していることになる。一方で最も多かった回答は「あまり流行らなさそう」で52.7%。「絶対に流行らない」は7.4%という結果となった。各人の予測はどういった根拠のもとに行なわれているのだろうか。推測するため、次いで認知状況を見てみよう。

 

スマートスピーカーの流行予想・画像はプレスリリースより引用

スマートスピーカーの認知状況を見ると、「すでに保有している」のはわずか1.1%。「どのような製品か知っている」は21.9%で、「名前は聞いたことがある」のは38.7%。合計すると61.7%の認知率となった。
 

スマートスピーカーの認知状況・画像はプレスリリースより引用

先陣を切ったClova WAVEの正式発売日が10月5日(木)であり、そこから一ヵ月経たない中で行なわれた調査であることを考えると、認知度自体は高いのではないだろうか。


名前の認知度と「できること」の認知度の乖離

マクロミルの同調査では、非認知者にもスマートスピーカーについての説明をした上で、購入意欲について尋ねている。結果は「ぜひ購入したい」が1.8%、「やや購入したい」が11.9%で、既に保有している1.1%と合わせて14.8%が購入に前向きであることが分かる。あまり多いとは言えない割合だが、一方で最も多いのが「どちらともいえない」の33.5%であることを踏まえると、「スマートスピーカーは日本人に不評」と断定するのは早計だ。

恐らく新しい物好き、ガジェット好き以外の人々にとって、スマートスピーカーは「何ができるのかよく知らないけど、最近名前はよく聞くよね」という印象に留まっているのだろう。

スマートスピーカーの購入意向・画像はプレスリリースより引用

今後スマートスピーカーが一般家庭で購入検討に挙がるためには、名前以上に「何ができるか」の認知を深めていく必要がありそうだ。

それでは、今(漠然とであっても)知られている機能の中で、多くの人々にとって魅力的だと受け止められている機能は何なのだろうか。

調査で挙げられた12項目のうち、「非常に魅力に感じる」「まあまあ魅力に感じる」の合計値が最も多かったのは「音楽を再生する」で60.3%。その次が「天気やニュースを読み上げる」の51.1%、3位が「スマート家電(照明、エアコン、テレビ、レコーダー等)の操作」で49.7%となっている。

スマートスピーカーで魅力に感じる機能 上位5位・画像はプレスリリースより引用

上位5項目はいずれもスマートフォンで行なえることだ。確かにこれらの機能を音声で操作できる、というだけでは購入の決め手にはならないであろうことが容易に推測できる。

それでは、一体どういった機能が搭載されていれば、一般層にとって購入の後押しとなるのだろうか。
同アンケートに寄せられたスマートスピーカーに対する要望(自由回答形式、一部抜粋)を見ると、以下のようになっている。

・話し相手、愚痴を聞いてくれて適度に相槌も打ってくれる。(55歳、女性)
・一人娘の話し相手をさせてみたい。子供に適切なアドバイスをしてくれるといい。娘も悩み相談など、親には言えないことでも、スマートスピーカーには語りかけると思う。(57歳、男性)
・健康に気を遣ってそろそろ寝たほうが良いと語りかける。男性用、女性用両方のモデルがあると良い。子供用から大人用まであると面白いと思う。(51歳、男性)
・留守の時にセキュリティの役目をしてほしい。泥棒が入った時にアラームがなったり、警備会社に自動に通報したり。(44歳、女性)
・母国語以外の、好きな言語で会話を返してくれ、勉強の助けになる。(35歳、女性)
・投資運用してお金を勝手に増やしてくれる(32歳、男性)
・料理のレシピを、作業するタイミングに合わせて読み上げてくれると、便利だなと思う。(42歳、女性)
・電車の遅延情報を読み上げて知らせてくれる。(22歳、女性)
・一日のスケジュールを管理してくれて、朝の目覚ましから、予定を入れたら時間になったら知らせてくれる。(38歳、女性)

上記には資産運用のアシストなど夢のある機能の他にも、目覚ましや遅延情報の読み上げなど既にスマートスピーカーでできることや、話し相手などの「一部可能だが現状ブラッシュアップが足りていないもの」も含まれている。こうした結果からも、やはり「スマートスピーカー」という名前の普及ほど「できること」の周知が徹底されていない現状が伺える。

つまりスマートスピーカーは機能の見せ方やアプローチの仕方次第では、現状の機能のままでも「あまり流行らなさそう」と回答した52.7%や、購入したいかは「どちらともいえない」と答えた33.5%のうち、幾分かを動かすポテンシャルを既に持っているということだ。

日本における「スマートスピーカー」という単語の周知という点では、Googleの広告展開の仕方が頭一つ抜けていた印象だ。しかし、今後年末商戦やサードパーティー製スマートスピーカーの市場参入を間近に控え、そろそろ各社プロモーションの仕方を変更してくる頃だろう。今後はスピーカーのスペックやAIの賢さではなく、「名前は知っている。けれど何ができるか分からない、自分に必要とは思えない」と考えている大多数に向けて適切なアプローチができるかどうかが、日本のスマートスピーカー市場が盛り上がるか否かの鍵となるのかもしれない。
 

 

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