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イノベーション
2016.09.07

IoTで農業にイノベーションを! 「農業×IoT」ハッカソン

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8月27日(土)〜28日(日)の2日間、秋葉原にあるDMM.make AKIBAで「農業×IoTハッカソン」が行われた。アイデアをプロトタイピングして、農業におけるイノベーションをIoTで実現させるための試みだ。

今回のイベントは、スマートプラットフォーム・フォーラム(NPO法人ブロードバンド・アソシエーション内)、東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構、さくらインターネット、ブロードバンドタワー、日本ユニシス株式会社、Listenfield、DMM.make、白坂パテントパートナーズ、インテルらが共同開催。

IoTのインフラ部分の開発工数を省いて、アイデアとIoTデバイスの作成に集中して取り組めるよう、さくらのIoT Platform α(さくらのIoT 通信モジュールを各2台、利用必須)、さくらのクラウド(希望チームに対し無料クーポン提供、利用任意)、Intel® Edison / Genuino 101(利用任意)、cloudSense SOS(Sensor Observation Service、利用任意)が提供される。

今回のイベントで作るものと提供されるもの

参加者は農業従事者や農業ITに関心のある技術者または学生の約30名。2日間という短い時間の中で、多くのアイデアが生まれた。

初日は各自でアイデアを出し合い、共感出来そうなメンバーとチームを編成する。出来上がったチームは全部で5つ。2日目の夕方の発表までアイデアのブレストからプログラミング、プレゼンの資料作成など行い完成度を競う。今回は発表会の各受賞作を見て行こう。

ブレストはホワイトボードを使ったり、PCの画面を見たりしながら意見を出しあう。
ハードウェア作成は細かいところまで神経を集中させて行なっていた。

1チームに与えられた発表タイムは10分間。途中、10分を大きくオーバーしてしまうチームもあったが、ほとんどのチームがほぼちょうどの時間でしっかりまとめてプレゼンをしていた。プレゼンが終わると、参加者や審査員が気になる点や、もっとこうした方が良いなどのアドバイスを行う時間も設けられた。

各チームがプロジェクトの成果を発表する
2人で役割分担して発表するチームも

全チームの発表が終わると、2日間をともにした参加者たちには自然と一体感がうまれていた。笑いなどもまきおこっていたが、どのチームからも「自分たちの作品が受賞する」という意気込みや緊張感も同時に伝わってきた。

審査は、南政樹氏(慶應義塾大学政策メディア研究科特任助教)、田中邦裕氏(さくらインターネット代表取締役社長)、宮元直也氏(SenSproutエンジニア)、郭威氏(東京大学大学院農学生命科学研究科特任助教)ら8名が務める。

5チーム中、表彰されたのは、すぐにでも実装出来そうなアイデアの「実用化部門」とハードウェアとして発想が面白いと思われる「ハードウェア部門」、ソフトウェアとしての発想が面白いと思われる「ソフトウェア部門」の3つの賞だ。

表彰を行なったのはさくらインターネット代表取締役 田中邦裕氏

将来的には宇宙で農業も!? ロボットを使って遠隔農業

プレゼンを行なった全5チームの中で、唯一ロボットまで作りあげた「Astro(アストロ)農家」がハードウェア部門の優秀賞を受賞。農地の拡大と、水の利用を最小限に抑えることを目的としたものとなっている。

チーム「Astro 農家」(ハードウェア部門優秀賞受賞)

ロボットには水分量を計るセンサー、撒くための水を貯めておくタンク、外部から遠隔操作できるようWebカメラなどが仕込んである。ロボットはソフトウェアと連動させて、スマートフォンなどから操作する仕組みだ。

作成したロボットの仕組みをイメージ図で説明
ロボットを前にプレゼンにも力が入る

2日間という短い時間だったので、センサーの不具合や電源供給の問題から完成までは至らなかったものの、そのアイデアが受賞の要因になった。今回のハッカソンでは実装出来なかったが、チーム内で色々なアイデアの議論ができたことが良かったと、Astro 農家のメンバーは言う。「先端をアタッチメント形式にして、仕様によって様々なシーンに対応させるなど今後試していきたい。将来的には遠隔で操作し、宇宙での作業も行えたら」と話した。

IoTで、青果販売時に「高付加価値」を

農業IoTで最も最初に出てくるであろうアイデアが「センシング」。ソフトウェア部門の優秀賞を受賞した「The BEST 9」では植物の育成状態をセンシングしてデータ化し、野菜育成データを可視化することで販売時に付加価値がつけられないか? という観点から制作を始めたと言う。

チーム「The BEST 9」(ソフトウェア部門優秀賞受賞)

検討候補として上がった作物は、ワインに使われるぶどうと収穫時期のズレで味や価格が変動するレタス。ワインは嗜好品なのでストーリーなどが付加価値となり、長期保存もできるのでデータとの相性が良い。レタスはコンピューターによって育成条件を管理することで、無名のものでもブランド製品と近い商品として付加価値が与えられるのではないかという発想からだ。

無名でも美味しい野菜が発掘できる

The BEST 9のシステムを使えばバイヤーが抱える問題も解決できる。例えばワインの場合、数十万銘柄ある商品の中から、日照条件や保管条件などのデータから当たりをつけられるようになる。スーパーマーケットの例で言えば、普段仕入れをしている野菜が天候不順などで仕入れ出来ない場合、育成条件の近い場所の野菜を瞬時に見つけられ、消費者に同じような味の商品を安定して供給できる。他にも、商品を販売する際にQRコードなどで育成条件の見える化を行なえば、スーパーマーケットなどで購入する消費者も安価にブランド商品と近い条件で育てられた野菜を入手できるようになる。

QRコードで育成条件を可視化

「The BEST 9」のメンバーは最後に「現状では消費者が求めているものと、生産者が求めているものの経済的な循環がうまくまわっていないので、その部分を解決していきたい」と話した。

機能は位置情報だけ。既存のデータと組み合わせて複合的な解析も

今回の発表会でもっとも議論が行われたという実用化部門で優秀賞を受賞したのは、チーム「farmece(ファーミーシー)」。長くとも今年や来年のタイムスパンででき、ビジネスモデルとしても通用するということで選考された。

チーム「farmece(ファーミーシー)」(実用化部門優秀賞受賞)

farmeceのシステムは農業用具に位置センサーを取り付ける「だけ」の簡単なシステム。人・道具の位置情報を把握する事で、これまで農家に直接ヒアリングしていたデータを自動で取得できるようになる。さらに気象庁や各県ごとに公表されている基本農作業工程などのデータと組み合わせることで、作業類推、工数の計算、作業単位の病害虫や収穫への影響、土壌変化など複合的な解析も可能となるのだ。

行動解析を行う際の補助データ(気象庁など公開のもの)

実際に農業を行なっていると、農繁期に作業データを記すほど余裕がないという問題がある。それを解決できるのも大きなポイント。農業従事者だからこそわかる問題を、このシステムによって解決へと導く。IT リテラシーがなくても、簡単にデータが集まり、これまで手間をかけていた作業記録の手間も省ける。まさに農家ファーストのツールと言えるのではないだろうか。

東京大学大学院農学生命科学研究科付属生態調和農学機構
http://www.isas.a.u-tokyo.ac.jp/

DMM.make
http://make.dmm.com/

SAKURA Internet
https://www.sakura.ad.jp/

ブロードバンドタワー
http://www.bbtower.co.jp/

日本ユニシス株式会社
https://www.unisys.co.jp/

Listenfield
http://listenfield.com/

白坂パテントパートナーズ
http://shirasakapat.com/

インテル
http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/homepage.html

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