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テクノロジー
2017.06.10

AIでハウス栽培における病害予測が92%の精度に
ボッシュがハウス栽培トマト向け病害予測システムを2017年内に販売開始

ボッシュといえば自動車部品メーカーの大手。しかし、近年ではモビリティ分野に限らず全ての事業領域においてIoT事業の強化を目指している。今回、ボッシュは新たなサービスの一例として、AIを利用したハウス栽培トマト向け病害予測システム「Plantect(プランテクト)」を年内に販売開始すると発表した。

後継者問題、高齢化、人手不足など、農家は様々な課題を抱えている。収穫量や農作物の価格変動などによる不安定な収入もそのうちの1つだ。収穫量に影響を及ぼす主な要因として、自然災害などの外部環境にともなう要因の他に、病害の発生が挙げられる。病害を予防するためには、感染の前後で予防薬を散布することが最も効果的だと考えられているが、病害が実際に発生するまで目に見えないため、散布の最適なタイミングを把握するのは難しい。

また、農薬の散布量とタイミングを適切に管理するためにも、病害発生の兆候を把握することは重要だ。ハウス栽培では、温度湿度等の基本的なパラメータのほか、日射量や葉濡れ、栽培環境や外気象が病害発生に影響を及ぼす。Plantectは、これら作物の育成に影響する要因をAIにより解析することで病害予測を実現しているという。

AIによるデータ解析で、92%の病害予測を実現

Plantectを利用した検証データでは、過去に92%という高い精度で病害予測を記録したという。ここまで高い精度を誇る理由はIoTによるデータ収集とAIによる解析によるものとなっている。

センサーによるモニタリング機能

Plantectのサービスは、ハウス内環境を計測するハードウェアと、計測された数値をもとに病害発生を予測するソフトウェアで構成されている。ハードウェアには、温度、湿度、日射量、二酸化炭素量を計測するセンサーが備えられており、ハウス内に設置すると、これらのデータが計測され、クラウドに送信される。

ユーザーはスマートフォンやPCなど各種デバイスから、Webベースのアプリを通じてクラウド内のデータにアクセスが可能。これによって、いつでもリアルタイムでハウス内環境を確認したり過去のデータを参照したりできる。

AIを活用した病害予測機能

Plantect にはモニタリング機能に加え、病害の発生を予測する機能がある。モニタリング機能でクラウドに送信されたデータは、ボッシュ独自のアルゴリズムにより葉濡れなど病害発生に関わる要素が解析され、気象予報と連動し、植物病の感染リスクの通知をアプリ上に表示する。

Plantectで用いられている病害予測アルゴリズムは、100棟以上のハウスのデータとボッシュの強みであるAIの技術を用いて開発された。ハウス毎のモニタリングデータをもとに病害の発生を予測するため、各ユーザー向けにカスタマイズされた病害予測を可能としている。

 

低コストと直感的な操作で、小・中規模農家も導入しやすい

Plantectは小・中規模の農家にも導入しやすいように料金設定や、管理画面の操作面でも工夫をしている。ポイントは以下の3つ。

ワイヤレス対応

通信方式に省電力などの特性を考慮し、長距離無線通信(LoRa)を採用している。また、バッテリー駆動のため、電源コンセントや通信ケーブルなどの配線を含めた初期設置のための施工を考慮することなく、ハウス内のどこにでもワイヤレスで簡単に設置することが可能。バッテリーは、市販のアルカリ電池で約1年稼動する。

 

リーズナブルな運用コスト

初期費用は無料で月額の使用料金のみでサービスを利用できる。基本機能であるモニタリング機能と病害予測機能、それぞれにサービスの月額使用料を設定。

使いやすいユーザーインターフェース

統一されたデザインを実装し、ユーザーがモニタリングしたいデータを大きく表示。さらに詳細情報を取得する場合は画面をタップするだけ。コンピューターやスマートフォンに不慣れな人でも、直観的な操作でハウス内の環境を簡単に確認できる。

管理画面イメージ

現在Plantectの病害予測機能は、ハウス栽培のトマトに限られているが、今後イチゴ、きゅうりまたは花卉など他の農作物への展開、また、日本以外のハウス栽培市場で高い可能性を持つ国での販売を計画しているという。

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