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イノベーション
2016.09.26

IoT産業にも大きなインパクト。MEMSにおける注目すべき2つの取り組み。

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9月14日(水)〜16日(金)の間「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センシング&ネットワークシステム展2016」がパシフィコ横浜で開催。MEMS関連製品が展示されたほか、注目すべきトピックスなどについてのセミナーも行なわれた。

IoT普及の鍵を握ると言われているのが、リアルな世界とコンピューターとの接点をつくるMEMS、センシングの技術。その技術の動向などについてMEMS関連企業をメンバーとするビジネスコミュニティのMEMS協議会(MIF)が、活動報告を通じて注目すべき2つの取り組みなどについて語った。

医療やヘルスケア、農業、社会インフラ、物流などのあらゆる部分にセンサを付与し、センシングしたデータを社会や生活に役立てるIoT。2023年には、年間で1兆個もの小型センサを生産・消費する「トリリオンセンサ社会」が実現すると言われている。

大量のセンサを付与しセンシングするにあたって、コストは大きな課題のひとつだ。センサが自立して稼働できるようになる技術のMEH(エムイーエイチ)とULPAC(ウルパック)はコストの大幅な削減が期待できるということで注目度が高い。

登壇者のマイクロマシンセンター プロセス技術センター長 松本 一哉 氏

従来比2桁以上の発電効率で自立型無線センサの実現を加速させる「MEH」

まずは環境振動型発電素子MEH(※)の研究に関する発表。
これまではセンシングに使用するセンサを起動させるのに電池が使用されていたが、太陽光や照明光、機械の発する振動、熱などのエネルギーを採取して電力を得られる“環境発電”の研究が進んでいる。
※Micro Energy Harvester

MEHはそんな環境発電の中でも、振動によるエネルギーを電力に変える発電素子だ。直径20mm程度の面積で発電効率を従来比2桁以上の10mW級と飛躍的に高めている。現在はこの設計・製作・評価技術を確立することを目的とし、産学連携の研究体によって先導研究が進められている。

電池を必要としないMEH技術が開発されれば、メンテナンスフリーの自立型無線センサ端末が実現し、社会・交通インフラモニタリング用の無線センサや、ウェアラブル・ヘルスケア端末、持ち歩くだけで充電できるスマートフォン・モバイル機器などに広く活用される未来社会がイメージできる。

環境振動型発電素子MEHの先導研究

ネットワーク構築などの負担を低減させる「ULPAC」

もうひとつは超低消費電力原子時計、ULPAC(※)の研究開発。既存のセンサ端末群は、ネットワークを介して時刻同期をすることで、データ取得の正確な時間を把握しデータ転送の効率化を図っている。
※Ultra-Low Power Atomic Clock

ULPACをセンサ端末に搭載すれば、メットワークを介した時刻同期をなくせるので、ネットワークの構築や運用にかかる負担を大幅に低減することができるようになる。

現在はセンサ端末に搭載可能なサイズや消費電力、価格にすることを目的として、研究が進められている。時刻同期の技術はセンサネットワークだけでなく、ネットワークに繋がる機器では当たり前に利用されているので、ULPACの技術がPCやスマートフォンなどに利用することも考えられる。

センサ端末に搭載可能な原子時計ULPAC の研究開発

出展ブースレポート

今回のMEMSセンシング&ネットワークシステム展では、各種センサの展示なども行われていた。IoTに関わる製品が多く出展されていて、センサをウェアラブルデバイスに組み込んでデモを行う企業も。前述の「MEH」や「ULPAC」とは違い、既存のセンサに大きな違いはないと話す出展者が多かった。

センサをデバイスに埋め込み、デモを行っている様子。

ジャイロ、加速度、 圧力、角速度、地磁気、気圧、高度、温度、光からなるセンサのいずれか、または組み合わせたものを基盤に埋め込んだものが数多く出展されていた。ハードウェアに基盤を埋め込む際、小さすぎても組み込めないので、小型化の波はある程度限界のところまで来ているという。今後はどれだけ省エネで稼働するかが決め手になってくるようだ。

消費電力の大きさが決め手

感度や耐衝撃性、ノイズなど、センサを評価する軸は多いが、トリリオンセンサ社会の実現に向けて、「MEH」や「ULPAC」のような技術を搭載した自立型のセンサが増えてくるだろう。

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