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スマートハウス
2017.04.13

スマートロック導入で宿泊者、ホテル運営者ともに利便性が向上
沖縄・浦添市アパートメントホテルでの実証実験後を追う
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アパートメントホテル COZYステイ in 浦添

沖縄県浦添市に、宿泊者がスマートロックでドアの開閉ができるアパートメントホテルがある。IoTサービス「インテリジェントホーム」と管理システム「Connected Portal」を導入したことで、鍵の受け渡しによる煩雑な運用が解消され、宿泊者からの評価も高いという。実証実験を経て本格導入をしたその経緯と運用体制について、ホテル運営者である株式会社邦企画開発の担当者に話を聞いた。

鍵の受け渡しとセキュリティ課題を解決するには

那覇空港から沖縄都市モノレール「ゆいレール」で約25分、さらにタクシーで約10分のところにある「アパートメントホテル COZYステイ in 浦添」。2019年にはホテル前に新規モノレール駅を控えているものの、現在は決してアクセス抜群とはいえない立地だ。しかしながら、稼働率が良く、ビジネス利用での長期宿泊者も多い人気アパートメントホテルだ。

「観光だけでなく本土からの長期出張にもご利用いただいています。離島にお住まいの方が帰省でご利用されるケースも多いですよ」

と語るのは、COZYステイ in 浦添を運営する株式会社邦企画開発の石橋和也氏だ。

株式会社邦企画開発 石橋和也氏

COZYステイ in 浦添は、自社で建築の一部を担当した賃貸アパートの2階・3階のうち、11部屋をオーナーから借り上げて用途変更し、簡易宿所として2016年9月から営業を開始している。

「弊社はもともと建築事業者で、これまでアパートメントホテルの建築を請け負うことはありましたが、運営は他の事業者が行うことがほとんどでした。建築だけではなく、アパートメントホテルの運営までを当社が行うのは、こちらが初めてです」

実際に運営すると直面したのが、宿泊者に鍵の受け渡しをするフロント業務の煩雑さだった。

「チェックイン時にお客様に鍵を渡すために、フロント業務の時間が拘束されていました。18時以降にチェックインされるお客様には郵便ポストに鍵を入れて、ポストを開ける暗証番号をお客様にお知らせする方法をとっていました。なかにはポストを開けられないお客様もいらっしゃるので、そのためにホテル戻らなくてはいけないという負担がありました」

管理人を介して鍵を直接利用者に受け渡し、利用終了後に再度鍵を引きとる方法は、少人数で運営する簡易宿所や民泊にとって非常に効率が悪い。鍵の紛失や複製の心配など、セキュリティ面での課題もある。

「チェックアウト時には、お客様に鍵をポストに入れてもらうようにしていました。実際にはなかったのですが、郵便ポストに入れ忘れて洋服のポケットに入ったまま飛行機乗ってしまわれるのが怖かったですね」

そこで、鍵管理の負担軽減のために開始したのが、スマートロックを使った鍵の遠隔管理だ。

各部屋のドアに設置され、宿泊者が利用するスマートロック

「インテリジェントホーム」システムのホームゲートウェイ、宿泊部屋のドアにスマートロックとIPカメラを設置。これらIoT機器と自社のシステムと連携するAPIシステム「Connected API」を活用することにした。

イッツ・コミュニケーションズ(以下イッツコム)と、Connected Design、沖縄ケーブルネットワークの3社が協力し、2016年8月から3ヵ月間実証実験を実施。実証実験終了後は商用化され、継続して利用されている。

電話は必須、宿泊者にスマートロック利用方法を案内

スマートロックの導入後は、フロントでの対面業務はなくなり、宿泊者との接点は主にメールと電話での連絡だけになった。「宿泊予約をされたお客様には、宿泊日までに3~4通のメールをお送りしています。地図や駐車場、そしてスマートロックを開錠する暗証番号と共有URLをお知らせします。さらに、宿泊日当日には、メールが届いたか確認のために必ずお電話をします。スマートロックを初めて利用するお客様が多いと思いますので、電話で説明してご理解していただきます」

宿泊者にスマートロックの操作方法をメールで案内する

お電話でのご案内が難しい方にはさらに携帯電話のショートメッセージでのご案内、LINEをご利用のお客様には、LINEでの通知も行っている。宿泊者と直接会わなくても、入室に困らないためのきめ細やかな対応をしているのだ。

スマートフォンやガラケーから共有URLにアクセスして、インターネット経由でカギを開閉できるようにしただけでなく、追加で、時限付きの暗証番号を使ったスマートロックの開錠方法も導入した。

「実証実験をイッツコムさんと進めていく中で、私たちが一番怖かったのは、携帯電話を部屋に置いたまま外に出てしまうケースです。誰とも連絡が取れずに、フロントも不在。そしてドアを開け方がわからなくなってしまうことです。また、停電時にお客様が部屋に入れるのかという心配もありました」

沖縄では台風が上陸すると、停電することがある。通信を経由する共有URLからの開錠は、停電時に操作ができなくなってしまう。そのため、電池で動作するスマートロック本体を暗証番号で開錠できるのは、宿泊者、運営者ともに心強い。

「暗証番号はランダム式にせず、お客様が覚えやすい任意の数字をこちらで設定しています。チェックイン前に、私たちが設定した暗証番号でドアが開くか確認していますので、フロントにいなくても安心してお客様をお迎えできるようになりました」

実際に宿泊者がスマートロックを開けると同時に、IPカメラで録画も行って宿泊者とその人数など状況確認を行っている。ホテルにスタッフが不在の場合でも、宿泊者の入退室や防犯面でも大きなトラブルがなく運用できる体制が整った。

部屋の前に設置しているカメラ。配線はインターフォンから入線している

「お客様は一般のホテルの様に、宿泊名簿を書くためにフロントのカウンターで並ぶ必要はありません。宿泊する部屋で記入するので、チェックインで待たされず気軽だと、お客様の反応はすこぶるいいです」

と、ホテル運営の省力化と利用客の満足度向上が両立できる結果となったのだ。

賃貸用アパートで簡易宿泊所を運営するには

賃貸用アパートを宿泊施設にするには、簡易宿泊所としての届出が必要になる。法律上定められた避難誘導灯や消火器の設置だけでなく、COZYステイ in 浦添のように、旅行用カバンを想定して宿泊階の共用廊下床を音が出にくい仕様にするなど、生活者への配慮も必要だ。また、建物竣工後にインテリジェントホームを設置するには、追加で室内やIPカメラの配線工事が必要になる。

ホームゲートウェイを室内に設置。LANの口から配線を行った

COZYステイ in 浦添での円滑な運営体制は、他の新規ホテル運営においてもロールモデルとなる。

「4月半ばには、糸満市に同じくスマートロックを導入したアパートメントホテルを開業します。今回は、設計段階でスマートホームの配線を考慮しています。現在は、手動で行っているスケジュール管理を自動化できるシステムにする予定です」

4月15日に新築オープン予定のアパートメントホテル COZYステイ in 糸満

利用客、ホテル運営者ともに便利で安心な、スマートロックを導入したアパートメントホテル。宿泊を機にスマートロックの使いやすさを知る利用客も多いはずだ。アパートメントホテルや民泊など様々な宿泊施設でスマートロックがスタンダードになる日も近いだろう。

【アパートメントホテル COZYステイ in 浦添】
http://cozystay.okinawa.jp/

【インテリジェントホーム】
http://www.intelligent-home.jp/

【記事に登場したデバイス】
http://www.intelligent-home.jp/device.html

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