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2016.11.30

「1兆個のデバイスがネットに繋がる社会に対応」─ソフトバンク、IoT専用の超低速LTE網を全国展開

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次世代移動通信5Gの技術を先取りする「5Gプロジェクト」。ソフトバンクはこの第2弾に向けた実証実験を、11月24日に千葉県・幕張で実施しました。 5Gといえば、数Gbpsオーバーのスループットが注目されがちですが、今回の実験での通信速度はたったの63kbps。この低速な通信網が、IoT時代の本格到来を支える屋台骨となりそうです。 ソフトバンクは「5Gプロジェクト」の第1弾として、大量のアンテナとビームフォーミングなどの技術で通信を大容量化する「Massive MIMO」の一般向けサービスを開始。これは、ユーザー1人1人に専用の帯域を割り当てることで、駅や繁華街などの人が多く集まる場所でも、快適なデータ通信が行えるという内容です。 1兆個のデバイスがインターネットに繋がる社会 今回、5Gプロジェクトの第2弾と銘打ったのが、IoT時代の到来に欠かせない「多接続」を実現するネットワークの実証実験です。 ▲5Gプロジェクトの第2弾は多接続 今後、自動車や監視カメラ、自動販売機、POS、商品管理、エネルギー管理など多彩な分野にIoTが入り込むことが予想されています。また、そこから得られるビッグデータを人工知能が解析することで、社会のさらなる高度化や新たなビジネスチャンスが生まれることが期待されています。 一方で、従来のLTEでIoTに対応することは困難です。ソフトバンクの北原秀文氏(モバイル技術本部 ネットワーク規格統括部 統括部長)は次のように説明します。 ▲モバイル技術本部 ネットワーク規格統括部 統括部長の北原秀文氏 「従来のLTEネットワークでは、1つの基地局あたり1000回線しか収容できません。これでは、日本全国に10万局を設置したとしても、1億デバイスしか繋がらない計算です。日本の人口と同じと思うかもしれませんが、インターネットに繋がるデバイスの数は、2021年までに国内で157億個、全世界では1兆個に達すると予測されています」 ▲あらゆる分野にIoTが浸透するなか、ネットワーク側の対応が急務 1つの基地局で5万回線を収容 そこでソフトバンクが実証実験を行ったのが、IoT向けLTEネットワークの1つ「NB-IoT」です。最大の通信速度は63kbpsと、スループットが数Gbpsの5Gに比べれば亀のような遅さですが、低速ゆえに通信モジュールのコストが安く、省電力でバッテリーも10年間以上持つという特徴があります。 またNB-IoTでは、従来のLTEの50倍となる1局あたり5万回線を収容できます。これにより「桁が違うデバイスの数がインターネットに繋がる社会に、我々は備えられる」とソフトバンク北原氏は付け加えます。 ▲モジュールコストは10ドル以下、10年以上のバッテリー持続 2017年夏にIoTネットワーク全国展開 ソフトバンクは、2017年夏を目処に、NB-IoTを含む3種類のIoT向けLTEネットワーク「LTE Cat.1」「LTE-M」「NB-IoT」の商用展開を開始する予定。プラチナバンドの900MHz帯と、2.1GHz帯を活用します。 ▲ソフトバンクは2017年夏から3つのIoTネットワークを全国展開 ▲ニーズに応じてネットワークを使い分ける 基地局側はソフトウェア・アップデートで対応できるため、エリア展開はほぼ全国一斉。通信速度が速いCat.1はコネクテッド・カーなどに、通信速度の遅いNB-IoTはセンサー類などといった具合に、用途によってネットワークを使い分ける形になります。 低コストなスマートパーキングシステムをデモ 今回の実証実験でソフトバンクは、NB-IoTを使ったスマートパーキングシステムをデモしました。 ▲NB-IoTの通信モジュールを搭載したセンサー(本来は舗装の下に埋め込む) ▲センサーが車の駐車を検知 ▲管理者画面から駐車の有無がわかる。 NB-IoTを使うために、有線やWi-Fi・Bluetoothといった仕組みは不要。バッテリーは10年間持つため、メンテナンスコストも抑えられます。駐車の検知にかかわるデータ通信は、非常に少量の上り通信で済むため、63kbpsのNB-IoTでも十分というわけです。 既存の基地局のソフトウェア更新で対応可能 なおIoTネットワークとしては、キャリアが既存の携帯電話ネットワークと同じように提供するNB-IoT、LTE-M、LTE Cat.1のほかに、免許不要のノンライセンスドバンドを用いたLoRaやSigFoxなどがあります。これらと比較した特徴についてソフトバンクの担当者は「ノンライセンスバンドでは帯域を専有されるおそれがある。ライセンスバンドでは、オペレーターが管理するためにその心配がない」と説明します。 ▲免許不要の周波数帯を使ったIoTネットワークもある またLoRaやSigFoxでは、オペレーターが基地局を新設する必要があるのに対し、NB-IoTやLTE-M、LTE Cat.1では既存の基地局のソフトウェアアップデートで対応できる点もコスト的なメリットだといいます。なお、ソフトバンクとしても、場合によってはノンライセンスドを活用するとしています。 なお肝心なのは回線料です。京セラのSigfoxなどは、通信回数などによって「年額で100円」という安価な料金設定が話題を集めました。ソフトバンクは現時点でIoTネットワークの回線料を明かしていませんが、1日の通信回数などに応じて、弾力的に料金を変えるプランを検討しているということです。 <関連記事> 「ソフトバンクは借金が多すぎる」─孫社長が語る10兆円ファンド設立、そしてARM買収の狙い

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