IoT(Internet of Things)の最新ニュースや企業&ベンチャー事例(ケーススタディ)ほぼ毎日掲載
コミュニケーション
2016.08.29

楽しみながら体験型学習! 「MESH」を使ったワークショップに行ってきた。

BY

近年、体験型教育の重要性が唱えられている。

文部科学省のホームページにも“体験活動は、豊かな人間性、自ら学び、自ら考える力などの生きる力の基盤、子どもの成長の糧としての役割が期待されている”と記されており、学校教育だけではなく、家庭や地域社会でも活動の場が広がっているようだ。そんな中2016年8月18日(金)に、品川駅から徒歩9分の場所に有るソニー本社ビルの1階「Creative Lounge」で、「MESH(メッシュ)」を使用した体験型教育のワークショップが行われた。

MESHはソニーの新規事業創出プログラムから誕生した製品で、小さなブロック形の無線電子タグ。iOSからリリースされているMESHアプリと連携することで、簡単にIoTの仕組みを実現できるのが特徴だ。小・中学校をはじめ、デザイン系の専門学校でも教育の一環として使用されている。

Creative Loungeに展示されている「MESH」コーナー

選ばれた16名の中から、将来の発明家を!

今回のワークショップに参加したのは小学校3年生から小学校6年生を対象とした16名。イベント参加の申し込みが多く、参加者は抽選によって選ばれた。主催のスタープログラミングスクール代表 斎藤幸輔氏は、将来の発明家を育てることをコンセプトに、小学生の苦手意識の克服とICTの面白さを体験してもらいたいという。

自分のアイデアで身近なものとMESHタグを組み合わせてIoT作品を作り、発表するのが今回のワークショップの目的。

2人1組でグループを組み、イベントスタッフが簡単な説明をすると、子ども達の“発明”が始まった。

まずはスタッフが用意したグッズから好きなものをチョイスし、何を作るか考えるところから始める。ゴミ箱やしゃもじ、眼鏡など、子ども達の選んだグッズがどのような発明品になるのか? 同伴で来ていた保護者達も興味深く見守っている。

100円ショップなどで手に入るグッズから好きなものをチョイス

あっという間の1時間! 工夫を凝らした発明品完成。

若き発明家たちに許された時間は1時間。限られた中で知恵を振り絞り「どうしたら面白くなるのか?」「どうしたらビックリするような仕掛けができるのか?」を考えている姿は真剣そのものだ。

MESHのタグには「LED」「ボタン」「人感」「動き」「明るさ」「温度・湿度」「GPIO」の7つの種類がある。最初はどのタグがどのような役割を果たすかわからなかった子供たちも、実際に動かしてみることで徐々に機能を理解し、使いこなしていくスピードの速さには驚いた。

意見を出し合い、より良いものを作りたいと試行錯誤
完成した発明品をパートナーと確認中!?

発表タイムではMESH開発者も欲しがる発明品が。

あっという間の1時間が終了し、それぞれの発明品が出揃ったところで発表タイム。子ども達がMESHの開発者、ソニー株式会社 MESHプロジェクトリーダーの萩原丈博氏(以下、萩原氏)にプレゼンしていく。プレゼントの箱にタグを仕込んでおき、箱を開けたら音が流れる仕組みのものや、眼鏡につけたタグが人の動きを感知すると、自動で撮影するものも。

プレゼントの箱を開けると音が鳴る仕組みには「人感タグ」を使用している。人感タグから発することのできる音色を一つひとつ試して、どの音色が良いかをしっかり考えていた。お友達がどのようにすれば喜ぶのか考える優しさまで発明に詰まっている。

プレゼントに音も加えてサプライズ

会場で最もインパクトのあった“おもしろメガネ”の発明には「人感センサー」と「LEDタグ」「GPIOタグ」を使用している。人感センサーで人を感知するとLEDがひかり、ランダムで音を鳴らしながら撮影をする仕掛けだ。使用用途を聞いてみると「パーティーで使えば、お友達の変顔が撮影できるから」とのこと。相手を面白がらせて、さらに面白がっている顔を内緒で撮影するという発想が面白い。

見た目はユニークでも、撮れた写真は本格的な「おもしろメガネ」

使うタグがシンプルでも、しっかり発明品として機能していたのが「LED付き眼鏡」。使用したタグは「LEDタグ」と「ボタンタグ」の2種類。ボタンを押すとLEDが点灯する仕組みだ。シンプルな操作・機能ながら実用性のある発明品に、萩原氏も思わず「これ欲しい!」とひとこと。

萩原氏も欲しがったLED付き眼鏡

自分が作った発明品を発表している時も真剣だった子どもたちだが、他の発明家の作品にも興味津々。どのように使うのかを質問したり、もっとこうした方が良いかもと提案したり、発明を通じて活発なコミュニケーションがうまれていた。普段目にしている身近なアイテムが違うものに見えてくる。そんな貴重な経験をした子どもたちから、本当に発明家が生まれるかもしれない。

自分の行動自体もプログラミングの一部に。

2012年にアイデアを出し、最初は一人で会社に提案したという萩原氏に、今回のワークショップや今後の展開などのお話を伺った。

過去に行ったワークショップでお子様が作ったお掃除ロボットですね。たわしにモーターをつけて、ホウキに加速度センサーを付けたものなんですが、自分がホウキを動かさないとたわしが動かない……。ロボットを動かすために自分が頑張るということで、自分の行動自体もプログラミングに組み込まれてしまっているんです。これは印象に残っていますね。

—今回のワークショップのように教育の現場にMESHって向いてそうですね。

実はポイントがあって、一つは画面の中ではなく物として触れられること。もう一つは画面上で繋げて、それがすぐに反映されることなんです。実際に触れたり、目の前でリアルタイムに反映されることが子どもでも理解しやすい要因だと思います。今回のワークショップのように眼鏡のような身近なものに繋げられるのも大事ですね。ロボットを作るとなって興味を持っても、自分ごとに落とし込めなかったら、なかなか理解はできませんからね。

—MESHを取り入れてる企業さんもいらっしゃいますよね?

人感センサーとか明るさセンサーを使って、会議室の空き状況や利用状況を把握する用途などに使って頂いている企業もありますね。

—今後MESHをどのように展開していきたいですか?

今日のように教育の分野で使われてきているので、そこは一つの軸としてあります。塾や大学、社会人教育として、社内のワークショップとして、企業の中でイノベーションを起こすような方向でも可能性がありそうです。

もうひとつの軸はデベロッパーなど開発者にSDK(※)を使って他のサービスやハードウェアと連携してソリューションを作っていきたいと考えています。

※ SDK(Software Development Kit)ユーザーがオリジナルのソフトウェアタグを開発するための環境。

—ありがとうございました。

MESHはMake、Experience、Shareの略称。何かを作って体験し、共有する。モノづくりで広がるコミュニティをサポートしたいという思いで名付けられているそうだ。今回のワークショップでは子どもたちもしっかり“MESH”していた。発想次第でいろんな広がりを見せるMESHから、どんな発明品が生まれてくるのか楽しみだ。

MESH公式HP
http://meshprj.com

あわせてお読みください

注目連載

innovators 情熱のカラクリ
いまさら聞けないIoTの基本のキ
大辻雄介の「教育のIoT思議」

記事一覧

記事ランキング

  • 直近1時間
  • 昨日

IoTニュース”は、Mynd Engineを活用して、世の中のIoT関連の記事をまとめさせていただき、ご紹介させていただきます。