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イノベーション
2017.10.05

日本初「アプリの治験」開始。薬事承認は得られるか
ニコチン依存症治療アプリ「CureApp禁煙」の治験が開始される。

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キュア・アップは10月3日(火)、かねてより臨床研究を行っていたニコチン依存症治療アプリ「CureApp禁煙」の治験を開始すると発表した。

「CureApp禁煙」は他施設臨床試験の結果やPMDA(医薬品医療機器総合機構)をはじめとした各方面の専門家たちとの協議の結果を踏まえ、今回の治験開始に至ったとしている。

アプリで治療、と言われてもイメージが湧きづらいかもしれないが、実に理に適った仕組みとなっている。詳しく見ていこう。

 

喫煙によるニコチン依存症は薬物依存症(精神疾患)の一種であり、「身体的依存」と「心理的依存」の2種類の依存があると言われている。そのうち「身体的依存」に関しては医薬品(禁煙補助薬)が有効である一方、「心理的依存」は長年の喫煙習慣によって身についた習慣や癖からの離脱ができない心理状態が原因のため、医薬品が効果を発揮せず、本来必要な医学的サポートも不足しているのだそう。

また12週間(約3カ月)が基本となる禁煙外来での治療期間中、医師や看護師による医学的サポートが受けられるのは5回のみ。結局、治療期間中ほとんどの時間は自分一人での孤独な闘いとなってしまうのだ。その間に生じる離脱症状の苦しさなどから、禁煙自体を断念してしまうケースが多くあるという。

「CureApp禁煙」は以上のような問題点に着目した治療アプリ。スマートフォンを通じて患者一人一人の治療状況や体調の変化に応じてカスタマイズされたサポートを行い、正しい知識の習得や心理的依存を克服するための支援を強化する。

加えて常に患者の身近にあるスマートフォンのアプリである特性を活かし、在宅や勤務中などの現行医療制度における「治療空白」期間においても医学的なサポートを届けられる。これにより治療介入の頻度を増やし、よりきめ細やかなサポートが可能になるとのこと。

 

キュア・アップは、「アプリが病気を治療する効果を持つ」という新しい医療アプローチを実現するために、従来の医薬品やハードウェア医療機器では対応しきれなかった病気を治すために、医学的エビデンスに基づいた「病気を治療するアプリ=治療アプリ」の開発に取り組んでいる会社だ。

同社のWebサイトから引用すると、治療アプリとは「スマホなどのモバイル機器を通じて得られる日々の治療データを、医学的知見を搭載したアルゴリズムが分析し、個々の患者様にパーソナライズドされたガイダンスを実施」してくれるものだという。
「医師(指導者)にも患者ごとに適切な指導内容を提示することになり、治療水準の向上を図」るものでもあるようだ。

確かに今回の「禁煙」アプリの例一つとってみても、目指すところは明確だ。これまで医師は、患者が「通院していない間」に起こった出来事や日々の過ごし方は患者の自己申告から伺い知る他なかった。

たとえば前回通院時に比べて体調が悪くなっていた場合、その原因が患者本人も意識していないようなことで、且つ一刻も早く改善しなくてはならない状況だったとしても、通常の診察時間の中ではなかなか判明したいかもしれない。
その点、医師の目が届かない期間もアプリが患者を見守ってくれているのなら、そういった見落としはぐっと少なくなるだろう。短時間の診察でもより適切な治療や指導が行われるようになるはずだ。

「CureApp禁煙」は今後、日本初となる薬事承認・保険償還を目指していくとのこと。加えて国内での薬事承認を得次第グローバルにも展開していく予定だ。

キュア・アップは今後アプリを軸とした「メンタルカウンセリングプログラム」の提供も予定しているとのことだが、そちらの需要も高いはず。禁煙外来以上に通院ハードルが高く、こまめなケアが必要な割に、空白期間が長くなりがちな分野だろう。
「CureApp禁煙」で薬事承認という名の太鼓判を得た後は、治療に携わる分野の拡大だけでなく、ゆくゆくは総合的な健康管理をしてくれるようなアプリの登場を期待したい。

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